第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会優勝報告
野球
第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会
【決勝】曳馬(県連推薦)4-5浜松開誠館(浜松支部1位)〇 【開】渥美、安田-増田 【二塁打】増谷
※浜松開誠館は創部15年目にして初優勝。
【戦評】
1回表、曳馬の攻撃。先発した渥美(二年:浅間小出身)は制球が定まらず、連続四球で無死一二塁。すぐさま二番手の安田(二年:葵西小出身)に交代するが、曳馬の6番打者にレフト越えの三塁打、8番打者にセンター前に適時打を打たれるなど、いきなりの4失点。厳しいスタートとなった。しかし、その裏すぐに2番増谷(二年:浜松東小出身)がセンター左に二塁打を放ち、3番牧(二年:砂丘小出身)、4番半田(二年:広沢小出身)の連続四死球で一死満塁と好機を作った。そして、5番佐藤(二年:芳川小出身)がライトに二点適時打を放ち、敗色ムードを一変させた。
一点差に迫った6回裏開誠館の攻撃。一死から5番佐藤が四球を選び、6番増田がセンター前にクリーンヒットを打ってつなぎ一死一二塁。そこから3連続四死球で二点をいただき逆転に成功した。最終回の曳馬の攻撃は一死から走者を一人出すも2番打者がセカンドライナーで二死、一塁走者飛び出しでダブルプレーが成立。開誠館は見事、初優勝を飾った。
この試合を振り返ると、やはり4点ビハインドの1回裏にすぐ2点を返せたのはベンチの士気を高め追撃ムードをつくる上でとても大きな意味があったと思う。投手陣も二番手の安田が、2回以降被安打1、与四球1で曳馬打線の勢いを完全に止めた。安田の投球で守備のリズムをつかみ、攻撃に移すことができた。あの力投がなかったら逆転を呼び込むこともできなかっただろう。
準決勝で県大会出場を決めた後、二時間ほど間を置いてからの決勝。喜びと安堵感、緊張がほぐれたこの空いた時間により、選手たちは無意識にダレていたと思う。「負けていい試合などない」と言わんばかりに監督が檄を飛ばし、主将の増谷はショートで好プレーを見せ、一打席目に二塁打を放ってチームを鼓舞した。試合の入り方としては最悪だったが、そこから立て直し試合をひっくり返せるだけのチーム力が今はある。この大会がはじまる前とは全くの別のチームになったと思う。
県大会出場が決まり、優勝した時に見た保護者の喜びと笑顔は何とも言えないもので、「親の苦労」などと言うと怒られるかもしれないが、そんなことを考えると本当に感無量だった。選手たちには保護者のあの笑顔を何度でも見せてもらいたいと思う。