平成29年度浜松地区中学校夏季総合体育大会野球競の部 結果報告
野球
平成29年度浜松地区中学校夏季総合体育大会野球競の部
【二 回 戦】浜名0―4開誠館 〇 【開】牧―増田
【三 回 戦】細江1―3開誠館 〇 【開】牧―増田 【三塁打】増谷
【準々決勝】入野1―3開誠館 〇 【開】牧―増田 【三塁打】増谷、馬場
【準 決 勝】浜北北部7―2開誠館 ● 【開】牧、渥美―増田 【二塁打】佐藤、増田、馬場
【戦評:準々決勝 入野戦】
第三シードとして出場する今大会。創部初の優勝を目指し三年生最後の戦いが始まった。安定感抜群の主戦牧(三年:砂丘小出身)を中心に鍛えに鍛え抜かれた守備力で二回戦、三回戦を危なげなく勝利し、順当にベスト8入りを果たした。準々決勝の相手は入野。過去の対戦成績を振り返ってみても、力が互角同士のチーム。勝負所で「一瞬を掴む」かどうかが勝敗の分かれ目となった。
6回裏、開誠館の攻撃。0―0の同点。一死から4番半田(三年:広沢小出身)が三遊間にヒットを放ち出塁。続く5番佐藤(三年:芳川小出身)もレフト前に安打を放ち一死一二塁。6番増田(三年:浜松北小出身)は四球を選び満塁となった。そして二死から8番馬場(二年:白脇小出身)がセンターオーバーの三塁打を放ち走者一掃、三点を先制した。
最終回、入野の攻撃。先頭の4番打者に四球、5番打者はボテボテのセカンドゴロが内野安打で無死一二塁のピンチを迎えた。三点差があり、下位打線に向かうとはいえ、8番、9番は振れており、つながれて上位打線に回ればかなりまずい展開になる。最後の最後に大きな山場を迎えたのだ。しかし、次の6番打者をサードゴロ。三塁手半田が落ち着いて捕球、二塁へ正確に送球し5―4―3のダブルプレーが成立。勝利への一瞬を掴んだ瞬間だった。
開誠館はこの試合に勝利したことで7月26日から行われる県大会に出場が決定。創部初となる夏季大会県大会出場は、今年還暦を迎え、長年、監督とともにチームを支えてきた野中秀夫先生へ選手からの大きな大きなプレゼントとなった・・・。
【戦評:準決勝 浜北北部戦】
第二シードの開成を破って勝ち上がってきた浜北北部。前日の勢いをそのままに、この準決勝に臨んできた。
1回表、浜北北部の攻撃。1番打者がいきなり右中間を破る二塁打で無死二塁。2番打者がしっかりと送り一死三塁。3番打者が四球で一三塁。4番打者に迷うことなくスクイズで一点を先制される。何が何でも先制点をとることで、前日からのチームの勢いをそのまま持ち込もうとするベンチ側の意図がはっきりと伺えた采配だった。
2回裏、開誠館の攻撃。先頭の4番半田が振り逃げで出塁。相手投手のボークがあり、無死二塁。5番佐藤はしっかりと送り一死三塁。この好機に6番増田は三遊間を抜く適時打を放ち、早々に追いた。8番馬場に四球があり、なお二死一二塁とチャンスは続き、9番渥美(三年:浅間小出身)。渥美は甘く入ってきた変化球をしっかりと叩いたが、レフトライナーで二者残塁。相手からもらったチャンスだったので、できれば勝ち越して試合の主導権を握り、浜北北部の勢いを断ち切りたかったがついていなかった。
3回表、先頭の9番打者にレフトオーバーの二塁打を打たれ無死二塁。次の1番打者には初回の堅い攻撃とは一転、強攻してきた。結局、1番打者はサードフライに打ち取って一死になるが、ホッとするのも束の間で、2番打者がレフト前に安打を放ち一死一三塁。3番打者も強攻でレフトに犠牲フライを打たれ再びリードを許した。
4回裏、開誠館の攻撃。一死から5番佐藤がレフトオーバーの二塁打を放ち出塁。6番増田もレフト前安打で続き、一死一三塁。その後、二死二三塁となって8番馬場がライトに痛烈な当たりを放つも、ライト正面で得点できず。攻めきれないツキのなさを感じつつ終盤へと向かう。
監督は試合の流れを変えようと、4回から投手を渥美に代えた。渥美はその期待に応え、6回まで被安打1、1失点だった。その1失点もホームクロスプレーの判定がこちら側にツキがなかった。しかし、渥美の好投が6回の裏、開誠館に大きな波をもたらすことになった。
6回裏、開誠館の攻撃。3―1と二点ビハインドの展開。先頭の3番牧がセンター右にヒットを放ち出塁。4番半田のサードゴロの間に二塁に進塁し一死二塁。5番佐藤は四球を選び一死一二塁。6番増田はこの場面でこれしかないという最高の一撃を右中間に放った。打球は右中間を完全に破り、同点で一死三塁、あるいは二塁というケースになるはずだった。しかし、一塁走者が三塁を大きく回った所で止まり、三本間に挟まれタッチアウト。打者走者も三塁に向かっていたため、二塁に戻れずタッチアウト。あっという間の出来事で、開誠館側に傾いていた試合の流れは完全に止まった…。
7回表、浜北北部の攻撃。3―2の一点ビハインドの状況で、勝負はまだまだの所であったが、抑え込んでいた浜北北部の勢いが一気に爆発。4点を奪われ万事休す。結局、7―2で大敗することとなった。
開誠館にとっては三塁コーチャーの重要さがクローズアップされる試合となった。三塁コーチャーは試合前の準備として、相手外野手の肩の強さ、スローイングの正確さ、内野手の中継の入り方、中継の素早さなどをチェックしておく必要がある。さらに試合中においては、試合の状況や流れ、走者の走力や次打者が誰なのか、二塁牽制の種類なども頭に入れておかなければいけない。それらの情報を踏まえて判断も変わるため、決断力のある選手でなければ務まらない。かなりの経験も必要である。ゆえに誰にでもやれるポジションではない。だからチームにとって三塁コーチャーのレギュラーがどうしても必要で、一つの判断が試合の勝敗に大きくかかわるとても重要なポジションなのである。
もし仮にこの敗戦の原因を特定の選手に求めているのなら、このチームはここまでのチームだと思う。個々のプレーはチームのあり方を表しているに過ぎない。誰かが凡ミスをするということは、そのプレーに対するチームの意識付けが低いということを象徴している。逆も同じことがいえるのだが、このチームの良さをこの敗戦で失って欲しくはない。
この一年間、チームを外から応援してきた私が、この負けで、チームはまた一つ強くなったと信じているのだから、監督やコーチ、選手のお父さん、お母さん、祖父母など身近に接してきた方々はそれ以上の思いを抱いているはずである。その思いに、ぜひとも県大会で答えて欲しい。そして、まずは初陣を飾ろう!!!