平成30年度浜松地区中学校夏季総合体育大会野球競の部 三回戦結果報告
野球
平成30年度浜松地区中学校夏季総合体育大会野球競の部
【三回戦】 与進3-4×開誠館 〇 【開】山田-鈴木(悠) 【本塁打】仲野 【二塁打】安川
【戦評】
やはりドラマは最終回に待ち受けていた・・・。
与進中、先攻で試合はスタートした。一回表、四球、WP、ヒットで一死一三塁のピンチを迎え、四番打者のセカンドゴロダブルプレー崩れの間に三塁走者がホームイン。早々に一点を先制される。
一回裏、開誠館の攻撃。一番仲野(三年:豊田東小出身)が打った瞬間、それとわかるレフトフェンス越えの同点本塁打を放ち、立ち上がりの嫌なムードを断ち切る。その後、五番神田(二年:浅間小出身)の内野安打や二つの四球から無死満塁と攻め立てたがあと一本が出なかった。しかし、試合の入りとしては先制されてもすぐに同点に追いつき、さらにチャンスを作ったことで開誠館が序盤の試合の流れを掴むことになった。
序盤の三回終了時点で1-1の同点だったが、開誠館が押していた。チャンスは作るものの、いい当たりが野手の正面に行ったり、内野手のファインプレーによって潰されており、少しツキがない感じだった。
四回表、与進中の攻撃。先頭の四番打者が左中間に二塁打を放ち無死二塁。五番打者が送り一死三塁。六番打者が痛烈なセカンドゴロを放つが、セカンドの神田は難なく処理し、ワンステップで素早くバックホームした。コリジョンルールがあるため、捕手はホームベースの前で走路を開けて捕球し、滑り込んできた三塁走者にタッチしたがこれがセーフの判定。完全にアウトのタイミングだった。送球が少し右にそれたことで追いタッチになったことがセーフの判定をもたらしたのか・・・ツキのなさは少しずつ開誠館の流れを奪っていった・・・。
七回表、与進中の攻撃。一死から九番打者が四球で出塁。次の一番打者はレフト前安打を放ち一死一二塁のピンチを迎える。続く二番打者もレフト前安打を放ち、二塁走者は本塁へ突入。これを開誠館は正確な中継でホームタッチアウト。追加点を防いだ。二死一二塁。しかし、喜んでいたのも束の間で、次の三番打者にはレフト線にポテンヒットを放たれ、二塁走者がホームイン。3-1とリードを広げられた。しかし、そこで開誠館にとっては流れを引き寄せる大事なプレーが見られた。それは、一塁走者を二三塁間で挟みスリーアウト目を奪ったことだ。なぜなら、二塁打を放っている次の四番打者と勝負する必要がなくなり、さらにピンチのイニングの割には守りの時間が短く、最終回、攻撃に向かう体力や集中力を必要以上に奪われなかったからだ。そして何より何度も何度も練習で反復していたことが、ここ一番で相手の勢いを止めるプレーになった・・・。最終回、何かが起こる・・・。
七回裏、開誠館の攻撃。先頭の八番安川(三年:白脇小出身)が右中間に二塁打を放ち出塁する。反撃ののろしだった・・・。続く九番野中(三年:白脇小出身)もセンター左に安打を放ち続いた。無死一三塁。そして、一番仲野のセンター前安打でまずは1点差に詰め寄り3-2。一死も取られず、三連打で一点差に詰め寄り中軸打線を迎える理想的な展開。押せ押せの流れがサヨナラの雰囲気を作り出していた。一死後、三番馬場(三年:白脇小出身)が死球で満塁。四番鈴木(悠)(二年:新津小出身)はフルカウントまで粘り、押し出し四球で3-3の同点。ついに追いついた。そして、この時、一瞬、与進中にスキが生まれた・・・。下河邉監督がこの隙を見逃すわけはなく、同じように五番神田もその隙を突いてサヨナラ安打で試合を決めたのである。
リードを広げられ迎えた最終回は、下位打線からの攻撃だった。代打の選択肢もあったと思う。しかし、下河邉監督は三年生の“思い”を信じ、代打を送らなかった。そして、三年生は監督の“信頼”に気持ちで答えた。二年半、監督と選手が本気でぶつかり合ってきたという固い絆が今回の勝因になったと思えてならない。
監督は以前、私にこう言ったことがある。「選手がいくら体力や技術があっても本番で生かせられなければ試合には勝てない。本番で活躍できる選手を育てなければ・・・」と。その信念の元、だからこそ選手と本気でぶつかってきたのだと思う。今まさに選手が本番で思う存分、力を発揮しているところである・・・。
次戦の準々決勝は7月14日(土)第2試合浜北北部中と対戦する。場所は天竜球場。勝って気持ちよく、二年連続県大会出場を決めようではないか。