2024年全日本少年軟式野球大会浜松ブロック予選優勝報告
部活動
2024年全日本少年軟式野球大会浜松ブロック予選
【2 回 戦】入野4-9開誠館
【開】古橋、鈴木(そ)、鈴木(栄)、山下-釣崎 【二塁打】伊藤
【3 回 戦】浜松北部0-1×開誠館(8回特別延長)
【開】古橋-釣崎
【準々決勝】北星1-13開誠館(5回コールド)
【開】古橋、嵐田、山下-釣崎 【本塁打】伊藤
【準 決 勝】可美・新津6-7×開誠館(8回特別延長)
【開】古橋、山下-釣崎
【決 勝】細江0-7開誠館
【開】鈴木(栄)、嵐田、山下-釣崎
※7年ぶり2度目の優勝。この結果、4月27日(土)からはじまる県大会に浜松ブロック1位として出場予定。
【戦評】
決勝は細江を7-0で圧倒し、開誠館は7年ぶり2度目の優勝を果たした。しかし、ここまで苦しみながら接戦をモノにして勝ち上がってきた。
3回戦の浜松北部戦では好投手の前に7回までわずか2安打、チャンスらしいチャンスもなく息の詰まる投手戦が続いた。試合の終盤、緊張感が高まる中でミスが出た方が負ける試合だった。開誠館は特別延長に入った8回表、浜松北部の攻撃を0点に抑え、その裏、無死満塁から古橋(三年:与進北小出身)が相手投手の失投を見逃さず、サヨナラタイムリーヒットを放って試合を決めた。この試合、主戦古橋の成長と開誠館の守備陣が無失策だったことはチームにとって大きな財産になったと思う。
準決勝の可美・新津戦では一時4-1とリードされる展開だったが、5回裏に二死二三塁から主将松山(三年:新津小出身)が逆転タイムリー安打を放ち4-5。7回表二死無走者から3番打者に同点本塁打を放たれるも試合の流れは変わらなかった。特別延長に入った8回表は最少失点で切り抜け、その裏、大河内(二年:浅羽北小出身)の犠牲フライで追いつき、最後は二死満塁から伊藤(二年:大平台小出身)がサヨナラタイムリー安打を放って試合終了。開誠館にとってはガクッときそうな展開が何度かあったが、絶対に負けられないという気迫が勝利を呼び込んだのではないかと思い胸が熱くなった。それはやはり今大会が最後の公式戦となった山本先生の退任とを結びつけてしまうのだ。人の心を打つ試合には、人の思いを感じるのである・・・。
山本先生が開誠館の中学野球部顧問になったのは今から5年前。その年は開誠館中学野球部がはじめて夏季の全国大会に出場した年で、勝利の女神的な存在としてチームに受け入れられたという記憶がある。その後も二度目の春季の全国大会に出場したり、全国大会初勝利から16強入りを果たすなどその山本神話は生き続けた。私は山本先生がどのような試合展開になろうとも常に選手たちに前向きな檄を飛ばし続け、最後まで諦めずに戦う大切さを伝えてきた結果だと思う。山本神話は今大会でも崩壊しなかった・・・。
山本先生の銀色のノックバットは芯の部分だけ黒く一周はげている。どれくらいの数のボールをノックしたらああなるのだろうか・・・。そのノックバットを見るたびに山本先生の選手に対する愛情を感じずにはいられなかった。そんな山本先生を慕う選手、OBも当然多くいる。山本先生退任の話を聞き今年卒業した高校三年生が会いに来てくれたが、その目には涙があった。目には見えない山本先生の功績は、その涙によくあらわれていると思う。
山本先生は新天地でも野球部の顧問に就くそうだ。今度は高校野球とのことだが、きっとそこでも山本神話は生まれるのだろう。開誠館中学野球部も山本先生が去ってもその神話を崩壊させないよう頑張ってほしい・・・。そして山本先生、本当にありがとうございました。