少年野球大会三回戦
野球
開誠館2-10高台 【開】牧、渥美-鈴木 【三塁打】半田
【戦評】
7回表、終了時点で10-0。後味の悪い試合で終わろうとしていた。しかし、最終回の攻撃で五番牧(一年:砂丘小出身)がチーム初安打を三遊間に放ち、続く半田(一年:広沢小出身)がレフトオーバーの三塁打を放って一点を返した。その後、WPもあって二点を返し、ここまで勝ち上がってきたチームとしての意地を見せることができた。
高台は確かに強かった。投手は勢いのあるボールを投げ、打線も迫力があった。しかし、開誠館の選手たちは相手投手のボールにスピード負けしていなかったし、先発した牧も低めに丁寧に投げ、打たせてアウトを積み重ねていた。試合の終盤までに同点あるいは二点ビハインドまでで試合を進めていたら勝ち越すチャンスはある。そんな期待を持てるほどの序盤の内容だった。ところが三回表に起こった一つのミスで失点してから、チーム全体の集中力や相手に向かっていく気持ちが薄れたように感じた。
野球は動いているボール、人に対してプレイするスポーツなのでミスが出て当然だ。だからこそ少しでもミスが出る確率を減らすために練習の反復がある。ミスをした選手を責める気持ちを持ってしまったり、ミスを引きずったままプレイをしてしまうようでは野球というミスが出るスポーツはやれない。
この試合で、もう一つ思ったことがある。それは、「試合はいつ終了するのか?」ということだ。21個目のアウトが成立した時か?それとも審判がゲームセットのコールをした時か?確かに、どちらもそうかもしれないが、私は選手が「あきらめた時」だと思っている。この試合、選手たちは、いつ勝つことをあきらめたのだろうか?最後まで集中力を切らさず、闘争心を持ち続け、貪欲に勝つことにこだわって試合を行っていたなら、こんな点差にはならなかったはずだ。だから、後味の悪い試合で終わろうとしていたのだ。
監督は最後まで選手を鼓舞し続けた。「あきらめたら終わりだ」というメッセージを送り続けた。その結果が最終回の意地の二点につながったのではないか、と思う。あの二点の持つ意味を私はとても大きく感じている。
四月から新入生が入ってくる。チーム内での競争が始まる。上級生だから試合に出て当然という甘い感覚は捨てたほうがいい。正しく努力して技術を向上させ、メンタルを鍛え上げ、結果を出せる選手が試合に出る。スポーツの世界では常識だ。チームの弱点を補強し、夏の大会には、どのようなチームと対戦しようとも勝利し、県への切符をつかみ取ってもらいたい。そんな期待をしてもいいチームにこの大会を通じて成長したと思う。