平成28年度浜松地区中学校夏季総合体育大会 野球競技試合結果報告
野球
平成28年度浜松地区中学校夏季総合体育大会 野球競技一回戦
細江中学 1-4 浜松開誠館 〇 【開】牧-鈴木(元) 【二塁打】鈴木(元)、佐藤、増田
二回戦は7月2日(土) 対戦相手:三ヶ日中学 場所:細江総合グラウンド 時間:9時00分
【戦評】
見事な逆転勝ちだった。二回表に長打から先制点を奪われたが、浮足立つことなく最少失点で切り抜け、二回、三回、四回とチャンスを作り続けた。そして、5回裏に8番安田賢治(二年:葵西小出身)の四球を足掛かりに二死満塁とチャンスを広げ、4番鈴木元太(三年:河輪小出身)の時にWPで同点に追いついた。4番鈴木は四球を選び、再び二死満塁とすると、5番増田大和(二年:浜松北小出身)が走者一掃の勝ち越し二塁打を左中間に放ち、計四点のビッグイニングとした。先発した牧大介(二年:砂岡小出身)は最後まで投げ切り一失点完投した。
5月のレワード大会一回戦では、練習試合で圧倒していたチーム相手に敗戦するという悔しい経験があった。気合が入りすぎて力みすぎたり、大事にプレーをしようとしすぎて消極的になったり、本来のプレーができなかったことが敗因の一つに挙げられた。夏の大一番でその経験が生かされた試合だった。「いつも通り、普段通り、集中力を切らさず、最後まであきらめずに、全力プレー」ができたのではないかと思う。
この試合、感じた事が大きく三つある。一つ目は勝ち越し二塁打を放った増田の打撃だ。やや高めのボールをヘッドを立ててかぶせて打った打撃はボールに強いスピンを与え、ライナーで遊撃手の頭上を越え、そのまま左中間を抜けていった。この一打はまさに気持ちで打った一打だと思う。「何が何でも」という強い思いが、やや高めのボールに対してバットをかぶせにいった打撃になったのではないかと感じた。技術も体力も必要不可欠だが、でもやっぱり最後は「気持ち」なのだと。練習で作り上げてきた強い気持ちが最後に好結果をもたらすのだと改めて感じたのである。
二つ目は最終回二死、三点差で勝ってはいたが一、三塁の場面。監督がタイムをかけ「間」をとった時である。通常、三点差があるので出ている二人の走者は勝敗には直接関係しない。そのまま流してもいいところだ。しかし、この一、三塁は失策が絡んでの一、三塁。打者は二番。あと一つのアウトで試合は終わると、ベンチが勝ちを意識するあまり、この一瞬の流れの変化に気づかなかったら、どうなったかはわからない。失策後の嫌な流れのまま二番を迎えていたら、ヒットを打たれたかもしれないし、四死球が出たかもしれない。失策の連鎖も考えられる。どちらにしても二番打者が出塁すれば異様な雰囲気ができた状態で長打力のある三番、四番へとつながっていく。どうしても二番打者で試合を終わらせたかった。あの「間」は選手たちの気持ちを落ち着かせ、つくられかかった嫌な流れを断ち切ったと同時に、監督のこの試合にかける執念、何が何でも勝つんだという強い思いを感じとった瞬間だった。
三つめは、勝った後の選手、保護者、応援に来てくださっていた高校教頭先生をはじめ、中3学年主任、クラスの先生方などの満面の笑顔を見た時である。多くの方々が心から喜んでいるあの空間は何とも表現のしようがない。あの空気に触れるととてもとても幸せな気持ちになる。また、この笑顔を見たい。みんなで喜びを分かち合うほど幸せを感じることはないと思ってしまう。
次戦、シードの三ヶ日中学。チーム一丸となって勝利をつかんでほしい。