平成28年度浜松地区中学校秋季野球大会兼静岡県選抜野球大会浜松地区予選準々決勝結果報告
野球
準々決勝 佐鳴台2―0開誠館 【開】牧―増田
【戦評】
一回表、佐鳴台の攻撃。立ち上がり、不安定な先発牧(二年:砂丘小出身)につけこみ、二つの四球、二盗塁を絡め、一死二三塁と好機を作った。そして、四番が左中間二塁打を放ち、いきなり二点を先制された。佐鳴台の投手力を考え、二点ゲームと予想していたが、その二点を早々にとられ、大きいアドバンテージを相手にあげてからのスタートとなってしまった。しかし、牧は三回以降立ち直り、いつも通り、粘り強い投球を見せ賞賛に値する投球内容だった。
一方、攻撃陣は佐鳴台の左投手に苦しんだ。佐鳴台の投手はスリークォーターだが、クセ球で、かつ投球モーションも独特なのでタイミングがとりづらい投手だった。選手たちがいつも通りタイミングをとれば、高めは差し込まれ、低めはひっかけてしまう。打者が一巡した時点で、そのことが鮮明になった。
五回終了した時点で、四球の走者を一人出したのみ。ほぼ完璧に抑え込まれた。佐鳴台の投手がテンポよく投げている状況が初回から五回まで続いているということは、開誠館の各打者に対して、何も怖さを感じていないし、投げにくさも感じていない。逆に言うと、投手のリズムを変えるような工夫を各打者がしていないことになる。
六回裏、先頭の馬場(一年:白脇小出身)がセンター前にクリーンヒットを放ち、チーム初安打が生まれた。完璧に抑え込まれている時ほど、一つのヒットから大チャンスに広がる。投手のリズムが変わるからだ。攻め時である。この六回をビッグイニングに・・・そんな期待を誰もがした。しかし、チーム一丸となって攻撃できなかったぶん、やはり攻めきれなかった。
最終回の攻撃も同じことが言えた。抑えれば県大会出場が決まるイニングで佐鳴台の投手は心のリズムを自分で狂わせた。はじめて先頭打者に四球を与えた。今度は4,5,6番へとつながっていく打線。しかし、高めを差し込まれ、低めをひっかける攻撃は変わらず、初回からず-っと見てきた凡打の光景があった。
トーナメントを勝ち上がっていくほど、相手は強くなる。相手の強さをどこで感じるのか?もちろん、個々の体力や技能の高さ、精神力の強さもあるが、やはりチーム力だと思う。個々の選手の能力が劣っていても、まとまって何かをしてくるチームは強い。そして、怖さを感じる。今回のようなタイプの好投手が出てきた場合、みんなでどうやって攻略するのかを考え実践したかった。自分がだめでも次の打者のためにやれることはあったはず。次の打者も、その次の打者も同じである。その積み重ねが相手バッテリーや守備側にプレッシャーをかけ続け、ここ一番のチャンスが訪れた時に実を結ばせるものではないか、と思うのである。
チームの目標である県大会出場は今年は果たせなかった。しかし、まだまだそのチャンスはある。負けた試合から学ぶべきものは多々ある。今大会を経験の一つとして、もっともっとチームとして強くなった姿を見てみたい。