第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会二回戦結果報告
野球
第34回全日本少年(中学)時之栖トーナメント軟式野球浜松ブロック大会 (3月18日)
【二回戦】三ヶ日(浜名湖支部1位) 0 - 3 浜松開誠館(浜松支部1位) 〇
【開】牧-増田 【二塁打】佐藤
【戦評】
創部初の県大会出場に向けて四度目の挑戦が始まった。各ブロック上位校【光が丘(天竜支部)、佐鳴台(浜松支部2位)、開成(浜松支部3位)、北星(浜松支部4位)、三ヶ日(浜名湖支部1位)、鷲津(浜名湖支部2位)、北浜(浜北支部)、曳馬(県連推薦)】が出場するこの大会は、ハイレベルな上に県大会出場枠が2校と狭き門である。厳しい戦いは予想されたが、ここまで勝ち上がってきたチームとしての成長にも期待が持てた。
まずは、三ヶ日との初戦。強打の三ヶ日との戦いは4点勝負と予想された。昨年の新人戦でも対戦しているが打撃戦の末、4対3で辛くも勝利し結果的に打ち勝った形だ。『打ち勝たなければ勝てない』そんな相手だったが試合序盤からお互いにチャンスを生かせず0点が続いた。
試合が動いたのは6回表、開誠館の攻撃。先頭の9番渥美(二年:浅間小出身)がライト前にクリーンヒットを放ち出塁。続く1番石野(二年:瑞穂小出身)は四球を選び無死一二塁。2番増谷(二年:浜松東小出身)の時に二塁走者が捕手からの矢のような送球で刺されチャンスが潰れたかに思われたが、増谷は右中間深くに痛烈な打球を放ち一死一三塁と逆にチャンスを広げた。3番牧(二年:砂丘小出身)の初球にスクイズをしっかりと決め先制し、このスクイズしたボールが一塁線ギリギリで止まりラッキーな内野安打となった。そして、二死二三塁から5番佐藤(二年:芳川小出身)がセカンド後方にしぶとく落とし二点を追加。そのまま3対0で逃げ切った。
この試合の開誠館の安打数は8、三ヶ日は1安打だった。当初予想していた打撃戦にはならず、安打数で三ケ日を圧倒した。しかし、先発した牧はいつもの安定感がなく7四死球と乱調で2回以降毎回走者を背負う投球だった。それでも、ここぞの一本を相手に打たせず、まさに粘りの投球で、エースとしての役割を悪いなりにもしっかりと果たすことができた。
私は以前にも『チームの強さ』についてブログ内で書いたことがあるが、チーム力が高ければ高いほど強いチームであり、負けないと思う。この三ヶ日戦では開誠館のチーム力の高さがいくつか伺えたが、やっぱり目についたのはミスが出た後のカバー力だ。例えば、本編にも書いた6回表の攻撃。イニング的にも終盤を迎え0対0の同点。そこに無死一二塁と絶好の機会を得たところで二塁走者が捕手からの送球で刺され一死一塁とチャンスが潰れかかった。本来ならチーム全体ががっかりして沈んでしまってもおかしくないプレーだったが、一度ついた火を消さまいと、みんなで声を出し続けた。増谷も逆に集中力を研ぎ澄ませ、二塁走者のミスを帳消しにする安打を放った。これ以外にもミスをカバーしたプレーは、細かいことも入れると実に多くあった。昨年までには見られなかったことだ。
私の持論だが、弱いチームほど負けた原因を誰かのせいにする。野球は間違いなく団体競技だ。チームとして戦っているわけだから負ける原因を誰か個人に特定するのはナンセンスだ。試合中、ミスが出た時、仲間を攻める気持ちを持ちながらプレーをしたとしたらミスをカバーすることはできない。「切り換えていこう」「次、次」の前向きな声掛けが本当によく聞こえるようになった。突出した選手はいないが、そんなチーム力の成長こそが、この後の試合においても、いい結果をもたらすのではないかと予感させたのである。