開誠館を振り返る〜誠心と敬愛の信念(高3学年主任:横原 忍)
日常の風景
「40年間を振り返って」
私は誠心中学校・高等学校(現在の浜松開誠館)から勤務し40年が経過しました。その当時の校長は慶應義塾大学卒業の白井先生(第2次大戦中は三島の連隊長でした)、教頭は早稲田大学卒の高田先生(戦前から教師として勤務していました)でした。また松下先生(もと東京で新聞記者をしていました)は中央大学の時、学徒出陣で兵役についたことを教えてもらいました。当時は「このような個性あふれる先生方でしたので、なるほど私学だな」と思いました。このような先輩からは、戦後に焼失した学校再建の話や臨海学校や白馬登山などの学校行事で「教師の姿」を教えていただきました。そして、生徒たちは自由で明るく伸び伸びした学校の中で、ゆったりと生活をしていました。
このような学校生活の中で、私は卓球部の副顧問に任命されました。先代の森山監督は全国優勝4回を成しとげた偉大な監督でした。私は高校時代、弓道部であり、まったく卓球には縁がありませんでした。当然初心者だから高校生にまったく勝てなく、練習場へ足を運ぶことがいやでたまりませんでした。しかし「気持ちを切り替えよう」と思って、中学1年生と一緒に卓球を始めました。すると卓球が楽しくなり、この生徒たちが高校2年生となったときインターハイへ団体で出場することができました。このとき指導者としての自信が付いたことを覚えています。その後、インターハイ全国準優勝、全国選抜大会3位という結果を残すことができました。元プロ野球監督の王貞治さんの「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。」という言葉通りだと思っていた25年間でした。
その後の15年間は校務を中心に勤務してきましたが、この期間は校訓「誠心・敬愛」について自問してきた時期でした。そして段々とわかりかけてきたことは「誠実、誠意、正義、尊敬、親しみ」などは、すべて校訓に集約されているのだということです。そして、この言葉の意味を考え行動していくことが、生きていく上で大切であるとわかってきました。生徒にもこの校訓の意味を、時々でよいから考えてみてもらいたいと思います。
最後にパナソニック創業者の松下幸之助さんの言葉です。
「誠意や真心から出たことばや行動は、それ自体が尊く、相手の心を打つものです」
「誠意や真心から出たことばや行動は、それ自体が尊く、相手の心を打つものです」
高校3年 学年主任 横原 忍