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中学校長ブログ:体育の授業より

日常の風景

ある日の中学1年生の体育の授業です。

壇上の先生の動きを真似ながら、生徒たちが新鮮な表情で体を動かしています。

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平成24年度より中学校の体育で武道の実施が必修となりました。
「伝統と文化の尊重」を盛り込んだ教育基本法の改正、その後の学習指導要領の改訂にともなってすべての学校で武道を実施することになっています。

 

伝統的な武道は様々ありますが、直近の全国的な統計を見ると、柔道(60.9%)・剣道(34.3%)を採用している学校がほとんどで、これに相撲を含めるとその数は98%を超えます。(公益財団法人 日本武道館「中学武道必修化アンケート調査」より)

 

本校では、校名変更・男女共学化を機に空手道部を創部し、以後中高・男女ともに全国大会レベルで大きな成果を上げてきました。こうした流れもあり、武道必修化の対応として本校では平成23年度より中学校の体育で空手道を扱ってきました。

 

空手道というと、ご存じない方は格闘技のようなイメージを持たれるかもしれませんが、実際にはまったく違います。
特に本校の体育では、決められた体の動きを緩急や強弱をつけて行う「形(かた)」を学びます。
本格的というには到底及ばない授業時数での指導ですが、「形(かた)」の一つである「平安初段」を生徒たちは学んでいました。

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下段払い、突き、・・・「エイッ!!」
実際の授業では空手道部顧問の協力も受けながら体育科教員が実施します。
また、こういう時の空手道部員は、他の生徒のお手本となります。

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ぎこちない動きの生徒も見受けられますが、生徒たちは「礼に始まり礼に終わる」に象徴される基本的な所作を通して、空手道の持つ精神や心身の調和を学んでいます。

 

もちろん、最終日にはテストもあります。ステージの上で少し緊張気味でしょうか。

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なお、関係団体の資料によると、体育で空手道を実施している中学校は全国でわずか207校だそうです。特別な施設が不要な上、服装も体操服ででき、身体接触がなく事故も少ないというのも空手道の特徴です。
2020年東京オリンピックの正式種目への採択も有力とされるだけに、ますます注目されるのではないかと思います。

 今回は徳育を育む浜松開誠館中学校ならではの体育の授業を紹介しました。

 

浜松開誠館中学校校長 永井 靖

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