高校校長だより:(平成27年度 修了式講話)
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平成27年度 修了式 式辞
本校の正門の白梅の花が散り、桜のつぼみが膨らんできました。日本の四季、春の風景です。人々の気持ちも変わり目を感じつつ、片付けつつ次への準備をしようかという、時期ではないでしょうか。
梅や桜は、植物分類上では同じバラ科に属します。花の咲き方や実のかたちは同じです。しかし、育て方は異なります。桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿といわれ、桜は枝を切ってはいけない。梅は枝を切らないといけない。ということを意味しています。では、桜の枝を伐ることはないのでしょうか。可能な時期は、ダメな時期は? 答えを調べてみてください。
さて、今回は振り返りの大切さ、1学期の始業式での話、挨拶とは、問題をよく知ってから解くことを話します。
1 振り返る=見直すことの大切さ
振り返ることができるのは能力です。数学者の秋山仁先生は、「1回振り返り=復習=見直しは2倍、2回の復習は4倍理解を増す」といっています。3回では8倍になります。4回では16倍になります。復習する=見直すということはとても大事なことです。この春休み、勉学においても運動においても、目標を立てて復習=見直しをして、この能力を身につけてください。
2 1学期始業式での式辞を振り返りましょう。
それは、「志をもち、至誠を貫き、試練に立ち向かう力強い生徒を育てる」でした。至誠とは、普段やらなければならないことを真剣に本気で誠意をもって行うことです。
吉田松陰先生の「至誠にして動かざる者未だこれ有らざるなり」からきています。先生は明治維新の直前、山口県萩市で塾(松下村塾)を13か月開き、塾生79人とともに学びました。初代内閣総理大臣の伊藤博文も学んでいます。松陰先生は、塾生一人一人の長所を気づかせる天才だったと思います。ヒトは自分の役割(世の中で貢献できる分野・仕事)に気づくと、すごいパワーを発揮します。この塾では、単に「知識ややり方」だけを学ぶのではなく、社会に出るためには、どういう心構えで臨むかという「こころのあり方」を学ぶところでした。「至誠を尽くす」こと 「志をもち、至誠を貫き、試練に立ち向かう力強い生徒」になるを忘れないでください。
3 本校には、「夢力×人間力×智力=自己実現」という教育コンセプトがあります。その中の「人間力」を高める3つを紹介します。
本気で挨拶する 誰も見ていなくても掃除ができる 素直に話を聞ける
是非、実行してみてください。その中でも、「挨拶をする」ということを少し深く考えてみましょう。
あいさつとは 自分の心開くこと 相手を認めること 人として生きていくうえで最も大切な流儀です。
あいさつができると・・・・相手も心を開いてくれる 相手も自分を認めてくれる 周囲の見る目が変わる
学校での「挨拶の最高レベル 5 」は 「自ら、立ち止まって、来校者に明るく気持ちよく挨拶ができる」ことです。
レベル2は、友達の挨拶に、小さな声で挨拶を返すこと。 来年度、「挨拶運動」重点において行います。
4 習慣化の大切さを、松下茂典氏の「こころが変われば 山下智茂・松井秀喜を作った男」朝日新聞社の中で、このように語っています。
心が変われば 行動が変わる
行動が変われば 習慣が変わる
習慣が変われば 人格が変わる
人格が変われば 運命が変わる
以上のいくつかの話は、本校の徳育教育として、皆さんは「kコンパスや7つの習慣J」で学んでいることです。身につけることが肝心です。
5 問題をよく知るということ
次に、先日、ある研修会でのことを紹介します。皆さん、考えてみてください。
問題 高校2年生の姉と中学2年生の妹が、ミカン1個を取り合っていました。皆さんが親だったら、どのように解決しますか?
- 半分ずつ分け合う ②姉が我慢する ③妹が我慢する ④親が取り上げる・・・・
さて、実際はどうだったでしょうか?
実は、姉はマーマレードをつりたいのでミカンの皮がほしい、妹はミカンを食べたいということだったのです。ミカン1個を2人で取り合っていたけれど、実は必要な部分が異なっていた。この時の親の立場を、専門的にメディエーター 仲介者 調整者という意味です。
このことは、どのようなこと我々に示しているのでしょうか?問題を深く知るということ、表面的とらえて思い込みによるいさかいや争いをすることなく、解決できるとういことではないでしょうか。自分一人で決めつけない、友達や仲間うちだけで決めつけないということ。周囲の相談することや問題を正確に知るということが大切です。
まとめ
振り返りの大切さ・・・・2回で4倍、5回で32倍
志をもち、至誠を貫き、試練に立ち向かう力強い生徒
人間力を高める 挨拶 掃除 素直
心が変われば・・・行動⇒習慣⇒人格⇒運命
ミカンの話・・・問題をよく知る
以上、この式辞は本校HPに掲載します。おうちの方と一緒に読んで、話し合ってください。4月には、一段成長した皆さんに会えることを期待しています。これで、平成27年度の修了式の式辞とします。