高校校長便り3月号 卒業式式辞
学校行事
第20回卒業証書授与式 式辞
正門の白梅が満開となり、早春の気配満ちゆく今日の佳き日に、多数のご来賓、保護者の皆様のご臨席のもと、誠心学園浜松開誠館高等学校 第20回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、本校生徒・教職員一同、誠に光栄であり、心から感謝申し上げます。
第20期生 304名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。これまでの皆さんの努力と研鑽を心から讃えたいと思います。皆さんの活躍は、2名の6年間、34名の3年間皆勤賞をはじめ、文化体育の表彰からもわかりますように、文武両道の両面でさらなる歴史を築かれたことは高く称賛されることです。また、この日まで長きにわたって皆さんの勉学を支え励ましてこられた保護者の方々に対しましても、ここに深く敬意を表します。保護者の皆様、ご子息の卒業、誠におめでとうございます。皆さんの進路先の状況は、玄関の掲示をご覧ください。また、これから、国公立中期後期試験・私大入試などを受験する人は、最後まで頑張ってください。
さて、今日は、皆さんの門出に当たり、2つのことを話します。
1つ目は、「目配り、気配り、心配り」について、その違いを考えてみましょう。
まず、「目配り」というのはその字の通り、自分のことだけでなく周囲にも注意を払い、目を向けること。目を配ることで、お客様の些細な仕草にも気づき、何を求めているのかを察することが出来ます。それによって初めてその後の「気配り」「心配り」が出来るのです。
では、、「気配り」=「気を配る」とは?…相手に気を使い心配する事です。接客上においての「気配り」とは、お客様に対し手抜かりのないように注意を払い、お困りの事がないかなどを心配し、言葉で投げかける事と言えるでしょう。
次に、「心配り」=「心を配る」とは?…相手にとって良いように、思いやりの心を持つことです。お客様の心情を汲み取り、何をして欲しいのか、そしてそれに対して自分は何をしてあげられるのかを考え行動することです。つまり、『相手の心を考えて自分の心を遣うこと』。接客する上で一番の重要な要素であり、我々日本人が大切にしている「おもてなしの心」と同じ意味と言えるでしょう。
2つ目は、遠越段という方の著書で、「こころに火をつける言葉」から、紹介します。
逆境に陥ったら、思い出せ。
飛行機は向かい風があって飛び立てるのであって、
追い風に運ばれるわけではないのだ。
ヘンリー・フォード(実業家・自動車産業の基礎・アメリカ)
フォードの時代、飛行機は向かい風が必要だったので、よいたとえとなっていました。今では少々の風も関係なく、ジェットエンジンの力で飛びます。それでも風は無関係ではなく、常に人は風と協調して生きています。世の中少々の波風があったほうがうまくいくといったのは明治維新のとき、西郷隆盛と会談し、江戸城空け渡しを決めた勝海舟でした。逆境があるから人は力をつけることができます。無理に逆境に身を置くことは必要ないですが、逆境に身を置くことで人生も世の中もよくわかります。そして、自分の真の力をつけることができます。逆境だとわかれば、自分を鍛え、あるいは見つめ直す時だと考えるべきです。立ち向かう、横に身をそらす、知恵を出す、いったん逃げて次の機会を待つ、いろんな生き方を教え、人の夢や目標に近づけていく力を与えてくれるのが逆境なのです。
本校は2024年の100周年に向けて未来戦略教育を行っています。今年度はその中のICT教育とグローバル教育を重点に行ってきました。ICT教育ではiPadを用いた主体的対話的深い学びを進めています。また、グローバルコース教育では、グローバルコースを新設し、「グローバルマインドの育成と英語力の向上を目指し、ネイティブ教員を複数、専任講師として招き、日常的に英語に触れ、他国の文化に触れる環境整備を進めて来ました。また、6月に静岡県の「グローバル人材教育事業」の「グローバルハイスクール採択校」になり、先週2月23日成果発表会を行うことができました。出席していただいた県教育員会の方をはじめ多くの他校の先生方や保護者の方々などから、「浜松の紹介、課題研究、語学研修、新モンゴル小中高一貫校と交流」についての発表に対し、高い評価をいただくことができました。この成果を踏まえて、あと2年間の採択期間で、グローバル人材の育成の基礎を築いていきたいと考えております。これから、本校も大きく変わっていきます。卒業生の皆さんも、生活習慣の土台として本校で学んだ徳育教育「7つの習慣J」を活かし、さらに浜松のやろまいかスピリットで、グローバル社会の中で活躍されることを期待しております。
私たち教職員一同は、「すべては生徒の為に」を信条のもとに、全力で指導にあたり、また、共に学んで参りました。前途有為な皆さんとともに三年間または六年間、同じ学舎で過ごせたことに感謝しつつ、皆さんを送り出すことができることを誇りに思います。以上、式辞といたします。
平成三十年 三月 一日
誠心学園 浜松開誠館中学校・高等学校
高校 校長 中 西 孝 徳